2009年08月02日

ファイナンシャルプランナーとは

ファイナンシャルプランナーという職業がある事をご存知でしょうか?
ファイナンシャルプランナーとは、個人資産の運用、金融などに対し、総合的な面からのアドバイスを送るという資格・職業です。
また、試験を受けてその資格を得た人、その職業に就いている人の事も指します。
略称としてFPと呼ばれることもあります。
ちなみに、ファイナンシャルとは『金融の』という意味で、フィナンシャルとも表記します。
プランナーとは、企画や計画を立て、支援を行う人の事を指します。

ファイナンシャルプランナーは、顧客の収入や借り入れ、現在の資産、家族構成などといった情報を元に、住居の選択、教育方法、老後の生活などといったライフプランニングを作成し、それを実行する為の資金計画を行う職です。
つまりは、個人の人生に対し、どのような資産のやり繰りをすれば、望みどおりの、或いは理想に近いライフスタイルでその後の生活を送れるかという、将来的な展望を叶えて差し上げるという職業なのです。

ファイナンシャルプランナーが日本で認定されたのは、1986〜1987年にかけてです。
その後、社団法人金融財政事情研究会がFPセンターを設立し、現在のNPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の前身である日本FP協会がCFP資格の試験、そしてAFP資格の試験を始めた事から、ファイナンスプランナーは市民権を獲得し、職業の一つとして認知されるようになりました。

現在では、ファイナンシャル・プランニング技能士という国家資格もあり、非常に人気の高い職業となっています。

ファイナンシャルプランナーの資格

ファイナンシャルプランナーになる為には、定められた試験を受け合格し、資格を獲得する必要があります。
資格のない人にファイナンシャルプランナーのお仕事はできません。

その資格に関してですが、日本では国家資格と民間資格の両方があります。
先に誕生したのは民間資格の方で、国家資格は設立から6年しか経っていないので、現在は民間資格の所有者が多いようです。

まず、ファイナンシャルプランナーの民間資格にはCFP資格とAFP資格があります。
AFP資格は、AFP協会に加入し、指定研修の修了と試験の合格を持って、資格の獲得となります。
研修と試験はどちらが先でも構いません。
一方、CFP資格はCPF協会の実施する試験を受け、それに合格した後に指定研修を受け、修了と同時に資格を得られます。

国家資格は、ファイナンシャル・プランニング技能士と呼ばれる資格です。
1〜3級まであり、2級のファイナンシャル・プランニング技能士の試験はAFPの認定試験も兼ねているので、2級を獲得した時点でAFP資格の試験に合格した事になります。
なお、研修は別個受ける必要があります。
また、CFP資格を習得していると、1級のファイナンシャル・プランニング技能士の試験の際に学科試験を免除されます。

国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士は、名称独占資格なので、資格を持っていない人が持っていると証する事は法律で禁じられています。
一方、AFP、CFPの方は名称独占資格ではありませんが、商標登録はされています。

ファイナンシャルプランナーの仕事内容

ファイナンシャルプランナーがどういった役割を担う仕事か理解した人が次に知りたい事と言えば、具体的な仕事内容かと思います。

ファイナンシャルプランナーは、基本的には顧客のライフプランを達成する為に必要な資産設計を作成する事が、その仕事内容となります。
その為には、まず顧客を獲得するところからスタートしなくてはなりません。
それには、銀行や郵便局、保険会社、証券会社といった金融機関に勤務し、その会社のプランの中で仕事を行うという方法と、事務所を設立し、独立した営業を行う方法とがあります。
前者は安定した仕事が望め、後者はより大きな報酬を得られるというそれぞれの特徴があります。

顧客を得る環境が整ったら、次は扱う金融商品をしっかり理解し、合理的な説明ができるように準備する必要があります。
有料でアドバイスを送る以上、その理論、理由付けは完璧でなければ、決して顧客を満足させる事はできないでしょう。
営業プランをしっかり立てる必要もあります。

こういった準備段階が終わったら、いよいよ顧客に対してのサービスを開始する事になります。
まず、顧客の資産状況と希望するライフプランを綿密に聞き、それにはどれくらい資産を増やす必要があるのかを算出する必要があります。
そして、その為にはどういった資産運用を行う必要があるか、どういった課題があるかを把握し、戦略を練ります。
そうやってプランを練り上げ、それを顧客が満足行く形で伝えるのが、ファイナンシャルプランナーの仕事内容となります。
こういったものは、試験勉強や試験そのものでは中々学ぶ事ができません。
実際に業務に就く事で得るものです。
試験勉強で頭を大きくしすぎて失敗する事もあります。
それでも、失敗から学んでいくのです。

企業系ファイナンシャルプランナー

企業系ファイナンシャルプランナーとは、金融会社などの企業に属し、その中でお仕事を行うタイプのファイナンシャルプランナーです。

企業系ファイナンシャルプランナーは、主に企業の営業を支える形の仕事が多いようです。
例えば、保険会社の場合、住宅ローンを組む際にどういったプランでローンを支払っていき、その中で理想的な生活をしていける資金を確保していくか、というのは、顧客にとって非常に重要な事項ですよね。
それに対し、しっかりアドバイスし、相談に乗るというのが、保険会社に所属しているファイナンシャルプランナーの役割です。
企業にとっても、ライフプラン設計の専門家がいるというのは、非常に営業に説得力が出てきますので、ファイナンシャルプランナーを雇用するメリットは大きい訳です。

企業系ファイナンシャルプランナーのメリットは、企業に属している事で発生する安心感です。
まず、仕事に困る可能性が低い事が挙げられます。
特に、ある程度名の通った企業であれば、大量の顧客を抱えていますので、仕事がないという時期はまずないと考えられます。
また、企業に属している事で、安定した収入が期待できます。

顧客に対しても、安心感を与える事ができます。
どこの馬の骨かもわからない人間に自分の今後の人生設計を任せるのはもっての外だ、と考える人は少なくありません。
特に、年配の方はそうでしょう。
そういった人達に対し、企業に属している場合は『ああ、この会社なら安心だ』と思わせる効果があります。
どれだけファイナンシャルプランナーとしての能力に長けていても、話に耳を傾けてもらえる環境がなければ、絵に描いた餅、宝の持ち腐れです。
相談してくれる事もほとんどないでしょう。

自身の所属している金融商品に限られた紹介しかできない分、幅は大きく狭まりますが、様々な人の相談を間断なく聞くことで、ファイナンシャルプランナーとしての力をアップさせる事も可能です。
こういった経験は試験勉強や試験によって得られる物ではありません。
試験を受けた後、少しずつ身に付けていけば良いのです。

独立系ファイナンシャルプランナー

独立系ファイナンシャルプランナーは、何処かの企業に属するのではなく、自分で事務所や会社を起こし、活動するタイプのファイナンシャルプランナーです。
ファイナンシャルプランナーの試験を受けるに当たって、夢として掲げているのは大抵こっちの方なのではないでしょうか。
自分が社長となって、様々なクライアントの相談に乗る、というプランを持ちつつ、試験勉強に励んでいる人も多いかと思います。
ただ、そう簡単には行かないのが現実の厳しいところです。

独立系ファイナンシャルプランナーは、企業系ファイナンシャルプランナーと比較し、自由度の高いお仕事ができます。
資本提携がないので、どの企業のどの金融商品を薦めなければならないという縛りがないので、本当に自分のお勧めできる金融商品を顧客にも薦められます。
その時に発生するコンサルティング料も、企業系ファイナンシャルプランナーより多くもらえるでしょう。

しかし、独立系ファイナンシャルプランナーは全て自分で行うゆえの難しさがあります。
まず会社や事務所を起こした場合、その会社は完全に無名状態です。
よって、営業を行わなくてはなりません。
しかし、無名の会社が相談相手に選ばれるほど、世の中は甘くありません。
まず会社を軌道に乗せる時点で、かなり苦労する事になります。
どれだけ試験で優秀な成績を収めてファイナンシャルプランナーになったとしても、実際の仕事での実績がなければ、顧客はつかないのです。

大きなメリットとデメリットを抱えているのが、独立系ファイナンシャルプランナーと言えます。
もっとも、ファイナンシャルプランナーとしての自分の理想像を具現化するならば、こっちの方が遥かに意に沿っていると言えます。

ファイナンシャルプランナーの年収

多少下世話な話になりますが、ファイナンシャルプランナーを目指して試験勉強に精を出している人にとって、その目標到達点となるファイナンシャルプランナーの年収は気になるところですよね。
それ如何で試験勉強への熱の入り方が違う……となると少々問題ですが、試験に合格した暁には、バラ色の日々が待っていると思いながら、日々勉強に励んでいる人は少なくないかと思います。

ただ、あまり夢を持ちすぎない方が良いかもしれません。
ファイナンシャルプランナーという資格は、それを持っているから必ず仕事があるという類のものではありません。
そして、ファイナンシャルプランナーがその業務のみで得られる年収は、必ずしも高い訳ではないのです。
というか、それだけで食べて行くのは難しい、というくらいの年収だと考えて良いかと思います。

基本的に、ファイナンシャルプランナーの年収は非常に幅があります。
テレビや雑誌にバンバン出ているような有名人であれば、数千万円という数字を叩き出せるかもしれません。
しかし、駆け出しのファイナンシャルプランナーは、ファイナンシャルプランナーとしての業務だけでは到底食べていけません。
兼業によって生活費を賄っているというケースがほとんどなのではないでしょうか。

しかし、ガッカリする事はありません。
現在、ファイナンシャルプランナーの需要は飛躍的に伸びています。
今はこのような状況でも、数年先はどうなっているか、誰にもわかりません。
もしかしたら、年収1千万なんて当たり前、何て時代が来ているかもしれません。
それだけの可能性を秘めた職業なのです。

3級ファイナンシャルプランニング技能検定の勉強

3級ファイナンシャルプランニング技能検定の試験内容は、基礎的なものです。
まず学科は、『ライフプランニングと資金計画』『リスク管理』『金融資産運用』『タックスプランニング』『不動産』『相続・事業承継』の6つの分野のから、ファイナンシャルプランナーとして仕事をする為に最低知っておく必要のある問題が60問出されます。
出題形式はマークシートです。
実技は、『個人資産相談業務』『保険顧客資産相談業務』の二つの分野から一つを選び、その一つから5問出題されます。
なお、実技試験と言っても、実際に業務を行うのではなく、筆記試験です。
こちらはマークシートではなく、実際に文字で記載します。

これらのファイナンシャルプランナー試験に合格するには、まず地道に勉強し、基礎力を付けることです。
予備校や専門学校に通っている人ならば、指示通りの勉強をしておけば自然に身に付きます。
通信講座にしても同様です。
独学で問題集や参考書を使って勉強している人でも、真面目に取り組んでいれば、数ヶ月と言わず、一月くらいで身に付くでしょう。

もちろん、なめてかかってはいけません。
試験なので、知識があっても、その場でちゃんと答えられなければ容赦なく落とされます。
何事にも本番に弱いという人はいますから、試験慣れしておく必要があるでしょう。
そういう意味では、学校に通っている人は、模擬試験を受ける事もできるので、有利と言えます。
独学で学んでいる人は、できるだけそういう雰囲気に近い状態にして、過去問を解くといった方法で、慣れておきましょう。
図書館などの人が多い場所でやれば、環境的に近いかと思います。
ファイナンシャルプランナーへの道は、そうそう易しくはありません。

検定の前に用意する事1

3級ファイナンシャルプランニング技能検定には、資格条件はありません。
よって、ファイナンシャルプランナーの3級試験は誰でも自由に受けることができます。
ただし、試験までに用意しなければならない事、準備しておく必要のある物がいくつかあります。

まず、試験日と試験会場です。
何月何日に試験があるということを知らないことには、試験を受ける事ができません。
試験日は、年3回、1月、5月、9月行われています。
ただし、具体的な日は年度ごとに異なるので、今年は何日にあるのかというのを事前にきんざいなどのHPでしっかりチェックしておきましょう。

試験会場は一箇所ではなく、都道府県別に何箇所も用意されています。
例えば、東京の場合は、都内中央だと『法政大学』『上智大学』『工学院大学』『住友不動産西新宿公園3号館』『損保会館』『東京商科学院専門学校』など、都内北だと『早稲田大学 西早稲田キャンパス』『立教大学』『東京電子専門学校』、都内南だと『明治学院大学 白金校舎』といった所が会場となっています。
47都道府県全てに会場は設けられるので、わざわざ高い交通費を払ってどこどこまで行く、という必要はありません。
自分の家から一番近い試験会場を調べて、そこに赴くようにしましょう。
当日迷わないよう、あらかじめ下見をしておくのが好ましいですね。

それに加えて、3級ファイナンシャルプランニング技能検定を受ける際には、受験料が必要となります。
料金は、学科が3,000円、実技も3,000円です。

ファイナンシャルプランナーになるための試験には、全て受験料が必要です。
将来ファイナンシャルプランナーとして働くようになれば、すぐに取り戻せるお金ではありますが、この金が無駄にならないよう、しっかり勉強しておきましょう。

2級ファイナンシャルプランニング技能検定

2級ファイナンシャルプランニング技能検定は、3級の試験と比較し、かなり変わってきます。
まず、3級の試験ではきんざいのみが実施していたのに対し、2級はきんざいと日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の二つの団体が実施します。
よって、申し込みは日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のHPからも行えます。
なお、試験日は双方とも同じ日なので、掛け持ちは無理です。

2級と3級の試験の大きな違いは、その合格率にあります。
3級は平均して7割は合格できるのに対し、2級の場合は学科2割、実技4割程度の合格率になってしまいます。
それだけ、難易度が急激に上がるという事です。
特に学科試験は顕著ですね。
ただ、試験範囲が特別広くなるという事はありません。
学科試験は、範囲自体は1〜3級とも同じです。
それでこれだけ難易度が上がる訳ですから、相当な勉強が必要になります。

2級の場合、受験料もかわります。
学科は4,200円、実技は4,500円です。
払い方などは3級と同じです。

また、実技試験は大きく変化しています。
3級では『個人資産相談業務』『生保顧客資産相談業務』のどちらかを選択する格好でしたが、2級だとこれが5択になります。
『個人資産相談業務』『中小事業主資産相談業務』『生保顧客資産相談業務』『損保顧客資産相談業務』『資産設計提案業務』の中から、一つの分野を選択するわけです。

ファイナンシャルプランナーとして仕事をする上で、2級という資格は最低条件といわれています。
3級を合格し、2級に合格して、初めてファイナンシャルプランナーと名乗れる、といったところでしょうか。

1級ファイナンシャルプランニング技能検定

ファイナンシャルプランナーとして一人前の証であると共に、ファイナンシャルプランナー国家試験の到達点と言えるのが、1級ファイナンシャルプランニング技能検定です。
その難易度たるや、2級の比ではありません。
学科試験で合格する確率は、高い年でも2割に届かず、低い年になると3%程度です。
100人受けて3人しか通らない、極めて狭き門です。
その一方で、実技試験は非常に合格率が高く、8割以上となっています。
かなりギャップがありますね。
これは、まだ試験が確立して日が浅いという事を意味しています。
いずれは均等になるのでしょうが、現状では学科試験の難易度の高さが際立っています。

1級ともなると、受験資格もかなり厳しいです。
2級の試験に合格し、尚且つファイナンシャルプランナーとしての1年以上の実務が必要になります。
他の受験資格としては、5年以上実務を経験している人、厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、尚且つ1年以上の実務経験がある人となっています。
つまり、最低でも1年間は実務を行っていなければなりません。
既にプロと呼ばれている段階でなければ、受験資格はないということです。

近年では、ファイナンシャルプランナーの地位はかなり上がってきており、不動産や保険の会社には欠かすことのできない人材となりつつあります。
その一方で、認知度が増していると共に、厳しい目で見られることになります。
例え2級を持っていても、あまり良い顔をされない事もあるくらいです。
もちろん、1級ならばそのような事はありません。
それだけでも、1級の資格には大きな意味があります。
ファイナンシャルプランナーは、安心を提供する職業なのですから。